入院中のママさん方から多い質問集第二弾です。
赤ちゃんに関する質問やナースコールの内容を「授乳関連、泣き止まない、寝ない以外」でまとめました。
入院に向けた育児準備の参考だったり、今まさに心配で悩んでいるという方のお助けになればと思います!
内容はあくまでも入院中の話になります。
医療スタッフが赤ちゃんを毎日観察している、気になった時にスタッフにすぐに相談できるという状況下でのQ&Aとしてご覧ください!
片目だけあかない
赤ちゃんの片目だけが開きません
大丈夫ですか?
生まれて数日の場合、目やにが乾燥してまぶたが開けにくくなっていることがあります。
新生児は鼻涙管の通りが悪く、目やにが出る子が多くいます。
濡らした清潔なガーゼでしっかり目をぬぐってあげてみてください。
先天性の眼瞼下垂などの可能性もありますが、だいたいはこれで解決します。
一度試してみて改善しなければスタッフや先生に相談しましょう
白目が黄色い
赤ちゃんの白目が黄色い気がします
赤ちゃんの白目が黄色くなっているのは、黄疸のためです。
赤ちゃんの赤血球は寿命が大人よりも短いため、体内でビリルビンの生産が増加します。
それに対し、ビリルビンを分解する肝臓の機能が未熟なため、生理的に黄疸になりやすいです。
毎日見ているので気づかないかもしれませんが、白目が黄色い時は、皮膚の色も少し黄色くなっていることが多いです。
入院中は毎日ミノルタ計という機械を使って簡易検査をしています。簡易検査で基準に引っかかった場合には、採血をします。
そして黄疸がピークになると言われている生後4~5日目に採血検査を行います。
見た目の黄色さと黄疸の程度はイコールではありません
毎日検査しているので気になった時はスタッフに確認してみましょう
頭にこぶがある
頭にたんこぶみたいなものができている
治りますか?
赤ちゃんはお産の時に狭い産道を通ってきます。
その先進部が頭であるため、頭部にお産のなごりが残っていることがあります。
まずは産瘤(さんりゅう)という、むくみによるものです。
産瘤は特に治療することはなく、2~3日で自然消失します。
次に頭血腫(ずけっしゅ)です。
頭のこぶと言われるものは、だいたい頭血腫であることが多いです。
頭血腫は頭蓋骨の骨膜の下の出血によるものです。
吸引分娩で生まれた赤ちゃんに多いことがありますが、正常分娩でもみられます。
生後2~3日頃に目に見えて分かるようになり、消失までにかかる期間は数週間~数か月と幅広いです。
1か月健診でまだ残っている赤ちゃんも多いです。
特に治療する必要はなく自然消失しますが、黄疸が強めに出る場合があるので、その時は黄疸に対する治療が必要になります。
皮膚と骨膜の間にできる帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)下血腫との判別は大切になります。
気になることはスタッフに確認するといいですよ
同じ方向ばかり向いている
赤ちゃんが同じ方向ばかり向いている気がします。
なぜですか?
赤ちゃんの顔が右向きか左向きか、いつも同じ方向ばかり向いているのは「向き癖」と言われるものです。
向き癖は、赤ちゃんがおなかの中にいた時の姿勢が影響していると考えられています。
生まれてきてからも落ち着くためか、おなかの中にいた時と同じ姿勢をとろうとし「向き癖」となります。
入院中はまったく気にする必要はありませんが、何か月も続くと頭の形がゆがむことがあります。
向き癖による頭のゆがみに関しては、baby band(ベビーバンド)のサイトの医師コラムに「生後3か月頃に頭のゆがみのピークを向かえますが、生後6か月頃には、生後1か月頃と同程度まで改善」「生後4-8か月頃に重度のゆがみがある方は、約3か月経過した後も、約7割の方が重度のままであった」という研究結果が記載されています。
鼻の頭に白いポツポツできている
赤ちゃんの鼻にある白いポツポツはなんですか?
鼻皮脂(びひし)と呼ばれるもので、問題はありません。
鼻の頭や小鼻、眉間の辺りにできますが、鼻の頭にできて気づくことが多いように思います。
生後1日目からでき始め、1か月健診の頃までには自然に消失します。
赤ちゃんの血液型
赤ちゃんの血液型は調べないんですか?
入院中は検査しないのが一般的です。
ママの血液と混ざっている可能性がある・赤ちゃんはまだ抗体の産生が十分でないなどの理由から、生まれてすぐの血液型検査は結果に信頼性がないためです。
ママの血液型が赤ちゃんに影響を与える可能性がある場合には、検査をすることがあります。
妊婦さんは初回の妊婦健診で必ず血液型検査をするので、その結果をもとに病院で判断します。
生後1歳を過ぎると検査結果は正確になると言われています
けいれんしている
赤ちゃんがピクピクけいれんしている
大丈夫ですか?
生まれてすぐの赤ちゃんがピクピク、ブルブルっとなることはよくあります。
多くの場合はけいれんではなく生理的現象で起きています。
モロー反射
ひとつめはモロー反射といわれる原始反射のひとつです。
音や光などの刺激に反応して、赤ちゃんが無意識にびくっとなり両手を広げてなにかに抱きつくような姿勢をとります。
生まれてすぐから見られ、生後4か月頃には自然に消失していきます。
ジッタリング
ジッタリングもよく見られます。
赤ちゃんの神経系が未熟なために手足がピクピクと動く現象です。
寝ている時やリラックスしている時に多いと言われています。
寝ているところをオムツ交換などで起こしてしまってびくっとした後や、泣いた後に起きることも多いように思います。
けいれん
ママが「けいれんしている」と言われる時はだいたい上記の2つに当てはまりますが、何らかの原因で本当にけいれんやひきつけを起こしていることもあります。
動画を撮りましょう
びっくりするかもしれませんが、けいれんに関わらず赤ちゃんの様子が何かおかしいと思った時は、写真や動画を撮るということを頭に入れておきましょう。
「こんな時に何言ってるの?」と思うのはもっともですが、医師や看護スタッフも実際にその状況を見ないと分からないというのが本音です。
急に起きるので動画なんか撮れないということもよく分かります。
ただ私たち産科スタッフも小児科の先生に「できれば動画を撮って見せて」と頼まれますし、退院後の患者さんからも「今度こういうことがあったら動画撮るようにしてみてって言われました」という話を聞きます。
小児科の先生も、何の症状もない元気な赤ちゃんを目の前で診ても「元気そうだね」としか言えないのです。
赤ちゃんのことが心配だからこそ、記録として残すことを覚えておきましょう!
うんちの色や形状
つぶつぶしたのが出ます
うんちが緑色
うんちが水っぽい
下痢している
赤ちゃんの便は胎便~移行便~普通便と変化します。
胎便は出生後~生後2日目くらいに見られる最初の便で、黒っぽく粘調性があります。
普通便に移行する期間の便を移行便といい、その後普通便になります。
普通便の色や性状は個人差がありますが、母子手帳に便カードがついています。
4番~7番は正常な便の色で、この他にも明るい緑色の便が出ることもあります。
新生児期の便は水っぽく形はほとんどありません。
粒マスタードのようなつぶつぶが含まれることもよくあります。
赤ちゃんの便の色は胆道閉鎖症を早期発見する重要な観察ポイントです。
オムツを捨てずに相談しましょう
気になるおしっこやうんちが出た時にはオムツは捨てずに置いておきます。
入院中であればオムツを直接スタッフに見てもらい、退院後であれば小児科などにオムツを持って行って見てもらうといいですよ。
今回は8つの質問についてまとめました。
入院中のママさん方から多い質問の第一弾はこちらです。