授乳

搾乳の保存方法と温め方

搾乳_アイキャッチ

記事内のリンクに広告が含まれている場合があります。

搾乳中のママや搾乳を検討しているママに向けて、搾乳した母乳の保存方法や温め方について解説していきます。

必要性があって搾乳している方だけでなく、赤ちゃんがよく泣く時のストックや、赤ちゃんを預けたい時などにも搾乳は使えます。

母乳は冷凍や加熱によって成分が変化することがあります。

特に温め方に注意が必要なのですが、ポイントを押さえておけば誰でも簡単にできますよ!

この記事では、こんなことを解説します。

  • 搾乳した母乳の保存方法(常温・冷蔵・冷凍)
  • 赤ちゃんにあげる時の温め方
  • 搾乳の温めの負担を減らしてくれる「ミルクウォーマー」について

搾乳の方法やおすすめの搾乳器はこちらの記事で紹介しています。

ぜひ参考にしてください!

搾乳器
搾乳の仕方を解説 おすすめの搾乳器も紹介!助産師が正しい搾乳方法とおすすめの搾乳器を紹介。手動や電動など向いている搾乳器の選び方を解説しています。...

母乳の保存容器

搾乳した母乳は消毒した哺乳瓶や専用の母乳パック(母乳バッグ)に移します。

哺乳瓶に入れる場合は蓋をするか、ラップをして密閉します。

搾乳した日時や量を記録して、複数ある時は古いものから使っていくといいですよ。

母乳パックには直接記入したり記入用のシールが付いていたりします。

哺乳瓶の場合はラップをしてマジックで記入すればOKです。

冷凍保存する場合は母乳パックがおすすめです。

母乳パック(母乳バッグ)

母乳を保存するための専用のフリーザーパックが売られていて、メーカーによって「母乳パック」「母乳バッグ」などと呼び方が違います。

ここでは母乳パックで統一していきますね。

母乳パックは各メーカーから出ていて、搾乳の量に合わせて選べるよう30~40ml用から180~200ml用までサイズが選べます。

母乳パックは衛生的で、安全な素材で作られています。

ジップロックなどの一般的なフリーザーパックで代用できません

母乳パックに保存する時は、赤ちゃんが1回に飲む量に分けて保存した方が使いやすいです。

母乳の保存方法

搾乳した母乳の保存方法には、常温、冷蔵、冷凍があります。

母乳の成分は冷凍や加温をすることで変化します。

常温保存・冷蔵保存の新鮮母乳が、栄養や免疫の面で一番優れています。

ですが自宅で過ごしている元気な赤ちゃんで、直接授乳やミルクと併用している場合はそこまで神経質になる必要はありません。

搾母乳のみをあげている場合は、保存方法や温め方をできる範囲で気をつけるといいと思います。

常温保存:25℃以下

すぐに飲ませる場合には常温のまま哺乳瓶に入れておきます。

25℃以下では、4~8時間までは細菌はごくわずかしか増殖しません。

保存期間

常温での保存期間は4時間です。

4時間以内であれば衛生面は安全なのですが、室温が25℃以下だと確実に分からないことも多いと思うので、できるだけ早く飲ませてあげることをおすすめします。

特に夏場は高温多湿で細菌が増殖しやすいです。

25℃以下であることと、次の授乳時間が不明瞭な時には冷蔵保存しましょう!

冷蔵保存:4℃以下

母乳を入れた哺乳瓶や母乳パックを冷蔵庫で保存します。

4℃以下の温度を保つため、ドアポケットには入れずに冷蔵庫の奥の方に入れましょう。

保存期間

72時間以内であれば問題ありませんが、24時間以内に飲ませることをおすすめします。

冷蔵で24時間以内の母乳は、細菌数の増加はなく、乳頭や脂肪、免疫成分であるIgAの濃度に変化はありません。

24時間以内でママさん方に案内している病院は多いように思います。

後で説明しますが、冷凍母乳を解凍した後は冷蔵で24時間保存可能です。

これとごちゃごちゃになって混乱しないためにも24時間で覚えておくと安全かと思います。

<IgA:免疫グロブリンA>
母乳に含まれている免疫グロブリンです
IgAは初乳に特に多く含まれるため「初乳を飲ませるといい」とよく言われます

温め方

37~38℃のお湯につけて湯せんで温めます。

体温以上の温度で温めない、40℃を超えないことがポイントです。

直火にかけたり電子レンジで温めるのはやめましょう。

冷凍保存:-20℃

母乳を入れた母乳パックを冷凍室に入れて保存します。

家庭用の冷蔵庫の冷凍室はー20℃前後です。

保存中の母乳の温度が上がらないように、近くにまだ凍ってないものや温かいものは入れないよう気をつけましょう。

ー20℃で冷凍した母乳は、IgAには変化はありませんが、その他の免疫成分や脂肪組織などが変化します。

保存期間

保存期間は3~6か月です。

冷凍庫の開閉などによって温度変化があるので、3か月以内に飲ませてあげることをおすすめします。

解凍後の冷蔵保存

完全に解凍した後の母乳は、冷蔵庫で24時間保存できます。

解凍した母乳は細菌を殺す細胞成分が生きていないので、室温では細菌が増殖しやすくなります。

一度温めた後や、赤ちゃんの飲み残しは保存できないので破棄しましょう。

解凍後の再冷凍はしてはいけません。

温め方

赤ちゃんが飲む直前に解凍するのがおすすめです。

  1. パックの上から流水をあてる
  2. 湯せんする(解凍し始めは44~49℃でも可)

どちらかの方法で解凍し、37~38℃のお湯で湯せんして温めます。

冷蔵庫に移して解凍する方法もありますが、時間がかかって不便だと思います。

流水ですぐに解凍できるので、哺乳瓶に移してから温めてもいいし、適温に温めてから哺乳瓶に移すこともできます。

冷凍のまま湯せんする場合は、お湯の温度が下がりやすいので様子を見て調整しましょう。

温め方によって母乳中の大事成分低下することがあります

  • 44~49℃で解凍し37℃で温める方法ではIgA濃度は低下しない
  • IgAの濃度は60℃の熱や電子レンジの電磁波で低下する
  • 母乳由来リパーゼは40℃を超えると急速に働きが低下する

ミルクウォーマー

冷蔵保存・冷凍保存の母乳は、どちらも37~38℃のお湯で湯せんすれば大事な成分が壊れることはありません。

でも実際には急いでいると熱めのお湯で温めたくなるし、せっかく温めても予定通りにいかずに冷めてしまうこともあります。

頻繫に搾母乳を使用する場合には、「ミルクウォーマー」がおすすめです。

育児用の電化製品は国内メーカーがおすすめです。

保証と日本語の説明書は必須です。

また機能や注意書きなども日本の安全基準に従ったものになっているので安心して使用できます。

国内メーカーで1年保証がついていて、「ミルクや搾乳の保温機能」「冷凍した母乳や離乳食を解凍する急速加熱」「離乳食の温め」「スチーム除菌機能」が備わっているものを2点紹介します。

Kocokara ミルクウォーマー

「Kocokara」は国内の中小企業であるネクストグロー株式会社が2016年に立ち上げたブランドです。

LARUTAN ミルクウォーマー

「LARUTAN(ラルタン)」は国内の中小企業であるネットプランニングという会社の自社ブランドで、2020年から販売開始しています。

双方価格帯は同じで機能も充実しています。

気に入った方を選ぶといいと思います。

迷った時は

育児用の電化製品は使える期間も短く買うのを迷うこともあると思います。

でもこういう育児のお助けグッズは「もっと早く買っておけばよかった」となるのが定番ですよね。

授乳は毎日、1日に何回もします。

産後のママさんは本当に疲れていて、まさに「猫の手でも借りたい」「藁にもすがりたい」思いになります。

ミルクウォーマーはそこまで高価なものではないにも関わらず、育児負担やストレスを軽減してくれます。

それにこういうものがあると、パパが育児参加するきっかけにもなります。

機械を操作すれば誰がやっても同じように仕上がるというのはパパにとってもハードルが下がるし、ママにとっても「やってくれたけどなんか違う」というストレスをなくしてくれて、お互い気分よく過ごすことができます!

せっかく買うなら早くに準備した方が長く使えてお得感がありますよ。

まとめ

搾乳した母乳の保存方法、赤ちゃんにあげる時の温め方について解説しました。

搾乳はママしかできませんが、その後の搾乳器の消毒や母乳の保存、温め、赤ちゃんへの授乳はママでなくても誰でもできます。

パパとも情報共有して、育児負担を減らせるといいですね。